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4月1日に外国人労働者の受け入れを拡大する改正出入国管理法が施行された。この改正によって5年間で最大約35万5千人の外国人労働者を受け入れる計画だ。改正によって、対象となる外国人労働者を受け入れた企業は、労働環境に加えて、生活環境の支援を行う必要が出てくる。これまで以上に外国人労働者に向けた社宅需要が増えることが予想されるが、まだまだ外国人を受け入れる賃貸物件は少ないのが実情だ。今後、外国人を受け入れる企業は如何に住宅を確保するかが1つの課題となる。改正によって就労を目的とした、新たな在留資格が新設された。「特定技能(1号、2号)」だ。特定技能に賃貸業界がどのように関係するのか、改めて解説しよう。まず、特定技能とはどういったものなのか。国によって定められた人材確保が十分でない14の産業を特定産業分野とし、これに限って外国人が現場作業等で就労可能となる在留資格制度のことを言う。この14分野は介護業、外食業、建設業、農業、宿泊業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、ビルクリーニング業、素形材産業、飲食料品製造業、漁業、造船・舶用工業、自動車整備業、航空業となる。内、建設業、造船・舶用工業の2業種は「特定技能2号」でも定められている。現在これらの分野では合計で約110万人の人材不足と言われており、これらを外国人労働者で賄おうというのが国の目的だ。在留資格の情報を整理するため従来の「就労系在留資格」と「特定技能」はどのような差があるのか見てみよう。大きな違いの1つに「就労系在留資格」では単純労働には就けないという制限があった。また、学歴要件や実務経験要件など就労に就くための壁があり、これが外国人労働者が増えない要因の1つともされていた。これに対して、特定技能では学歴要件や実務経験が不要なことから、日本で働きたい外国人労働者に向けて大きく間口が開けたと言える。一方で就労系在留資格では設定されていない日本語水準要件では「ある程度の日常会話」の制限設定が特定技能でされている。これは特定技能外国人に関しては通常のコミュニケーションであれば問題なく行えるとも考えられる。また、特定技能1号で「最長5年で更新不可」、2号で「3年・1年または6ヶ月毎の更新」といった制限が課せられている。尚、特定技能2号は2021年から試験が開始される予定だ。そして在留期間に上限はなく、条件を満たせば永住申請を行う事も可能となっている。2号は要件を満たせば家族(配偶者・子で親や親戚は含まれない)の帯同も可能となっている。混同されがちだが、「特定技能」は「技能実習」とも大きく異なる。技能実習制度の目的・趣旨は日本の技能や、技術、知識を開発途上の国や地域に移転して寄与することで「国際協力の推進」することを目的とするため人不足の補填として利用されることがあってはならない。当然、技術等の移転が目的という観点から、単純作業に従事させることはできないとしている。ただ、特定技能と全くの無関係という訳ではない。技能実習2号を修了している場合、特定技能の取得が可能となるからだ。これ以外で取得する場合には特定技能評価試験に合格する必要がある。評価試験は14業種共通の日本語能力判定テストが2019年から開始されてる。業種別の試験については次のような日程で実施される。2019年4月に宿泊業・介護業・外食業、10月に飲食料品製造業、2019年秋以降にビルクリーニング業、2020年3月までに残りの9業種が行われる予定だ。こうした試験を通過して特定技能を持つ外国人労働者を雇用する企業は「職場生活」「日常生活」「社会生活」に於いて支援を行う必要がある。具体的には「入国前の生活ガイダンスの提供」「住宅の確保」「在留中の生活オリエンテーションの実施」「生活のための日本語習得の支援」「外国人からの相談・苦情への対応」「各種行政手続きについての情報提供」「非自発的離職時の転職支援」等がこれに当たる。自社でこのような支援が行えない場合には「登録支援機関」に委託することも可能だ。 住宅に係る項目を詳しく見てみよう。1つは住宅確保について、企業が借り上げた賃貸住宅や、保有している社宅を外国人労働者に提供する事。もしくは企業が連帯保証人になったり、債務保証会社を確保するなど、外国人労働者の部屋探しや賃貸借契約をサポートする事が求められる。また、住居の広さについて、1人当たり7.5㎡以上を満たすことが要件になっている。その他では生活に必要な電気・ガス・水道等のライフライン契約について、手続きの補助を行う必要がある。こういった改正を受けて、今後外国人向け法人取引の需要は増えていくことが予想される。需要で見た場合、1人当たりの家賃帯は2万円~3万円前後が最も多くなるだろう。先に述べた1人当たりの居住スペースが7.5㎡以上となると、1Rに2名入居や、3LDKに3~4名入居などが考えらえれる。しかしこういった需要に対して対応できる物件が少ない事や、複数人での同居はトラブルの元になりがちであることがネックとなると考えられ、これらの対応が今後の課題と言えそうだ。管理会社は古く安い物件を1棟で管理し、大きな工場やホテル等に丸々借り上げないか提案するのも良いかもしれない。企業の中には、借りられる物件が見つからず、一軒家を購入したという話も聞く。こういった外国人向け物件としては、シェアハウスのような形状の物件が一番マッチすると考える専門家もいる。今後、業界として増える外国人労働者にどのように対応し、取り込んでいくのか。このあたりに今後の商機がありそうだ。